リサイクル技術の現状

岩元美智彦(日本環境設計・代表取締役会長)さんからリサイクルの現状とビジネススキームお話を伺った。

台風が過ぎ去った後、大量の傘のゴミ。回収して…どうする?心苦しい現状があった。それを固めて建築材料。ブロックにとか燃料にとか…いつまでそんなバカげたことをやっているのか!というのが本音。

もはや世界のトレンドは、傘が傘に、服は服に、作ったものは再びその作ったものに。大量のゴミ?もはやナンセンス。全て資源。それらを集めて同じ量の同じものを作る。そういうことを可能にする技術がトレンドだし、日本は実は最先端!なんでみんな知らないの!!ということです。

物質は劣化しない。なぜなら、炭素(C)、酸素(O)、水素(H)という構成元素に注目して考えれば、それらは劣化しないはずなのだ。それでこの構成要素に着目し、そこに向けて分解。それから再構成すれば質量保存の法則の通り、消失することなく元に戻せる。

しかも石油から作るのと同じように高品質なものに。

資源大国とは埋蔵量から技術力へ

これまでは石油を掘り出してエネルギーとし富としていた。資源のある国が富む国。資源のない国は貧しい国。そして資源の奪い合いがすなわち戦争。

戦争のない世界を作りたい。もう地下資源に頼らなくてよい時代にしよう。

それが今や、資源が無いとされていた日本国内で多くの資源を産出し使えるようにした。それは技術革新による。かつて使い物にならなかったガラクタに見えたものを使えるようにするための技術を著しく発達させた日本。

ロケット燃料という超高品質な燃料を全量リサイクルで製造するプロジェクト。日本からも名だたる企業や研究機関が応募した。我が社も応募した。そして残ったのは我が社だけ。それまで誰も相手にしてくれなかったのに、全部ダメで我が社が残って、みんな一気に手のひら返した。

日本は一気に実質の資源大国になった。他の国は技術が無くてできない。でも日本はそれらの資源を使うことができる。

その一つにリサイクル技術と資源回収ネットワークの存在。

環境は楽しいね!楽しいなら何でもありのイベント

楽しいことをした結果、環境導線つまり資源回収導線ができた。

地下資源争奪戦争を終わらせるには、金や武器じゃない。わくわくどきどきだ。

2015年リサイクルの有機燃料でデロリアンを走らせるプロジェクトを立ち上げた。数多くのプレゼンがある中で「あなた方がやっている事業は他の全てとは全く意味が違う。それで全面的に協力する!」とユニバーサルスタジオ全社を上げてイベントバックアップ。デロリアンは自費で購入したが、それ以外は全額支援。広告効果は物凄いものが合った。それ以降…

FUKU-FUKU Project

PLA-PLUS Project

中途半端じゃない振り切りが意味を持つ。

2020東京五輪に向けて携帯電話から回収したマテリアルで、金・銀・銅メダルを創ろうというプロジェクトが始動した。そうしたら世界で物凄い反響。「ニッポン凄い!」って。でも国内であんまり知られていない。回収スキームは出来上がりつつあるからまぁいいけどなんで!日本の技術だよ。

ペットボトルからペットボトル。繊維から繊維。傘から傘。テントからテント。全量回収全量リサイクル。全部日本の技術。全部外国の会社で採用。外国の評価が物凄く高い。他にどこにもないから。これ日本だけ。みんな欲しがっている。日本の会社はどうしたの?これ日本の技術だよ!

技術と特許

特許があるから銀行融資や助成金などの難しい審査が通る。だから取る。うるさくいわれるからとる。でもむしろブラック(ボックス)戦略をとる。

事業の本質が大事。特許を取ったから事業がうまくいくことなどあり得ない。事業の本質を奪われないため、実を守るために必要なら特許を取る。注力すべきは事業の本質をふくらますこと。

事業の本質は、いくらでもカスタマイズできるスキーム。本質のスキームをその国の事情や法律に従ってカスタマイズするが、基本はかわらずすぐ真似できる。これが普及の突破口。

日本で展開した仕組みは、基本のカスタマイズ版。これをヨーロッパ圏にカスタマイズして、2017年4月から展開する。こうやってどんどん広げてゆく。


「いよいよ本当に本物がきた!」と確信できた。いよいよ環境に真面目に取り組んでも邪魔されない時代がやってきたのだ。

ここまで仕組みができあがっているなら、わたしもいよいよ安心して、環境に革新的影響を及ぼす新技術についてもどんどん紹介していきたいと思う。

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